現在のサッカースパイクで多く使われている素材のひとつが「人工皮革」です。
「人工皮革のスパイクにはどんな特徴がある?」
「天然皮革と人工皮革はどっちがいい?」
「人工皮革は履いていれば伸びる?」
「硬い人工皮革を柔らかくする方法は?」
「人工皮革のスパイクは水洗いしても大丈夫?」
など、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
人工皮革は一般的に、天然皮革より伸びにくく、耐久性が高く、型崩れしにくいのが特徴です。
そのため毎日の練習で使用する人や、天然皮革ほど手入れに時間をかけたくない人にも向いています。
一方で、現在の人工皮革は単に「安くて丈夫な素材」というだけではありません。
柔らかさやフィット感、軽量性、ボールタッチなどを追求した高機能な人工皮革も登場しており、上位モデルにも採用されています。
この記事では、サッカースパイクに使われる人工皮革の特徴やメリット・デメリット、天然皮革との違い、伸ばす・柔らかくする方法、手入れ・洗い方まで詳しく解説します。
関連記事:サッカースパイクの皮の種類は?天然皮革・人工皮革・カンガルー革の違いを解説
サッカースパイクの人工皮革とは?
人工皮革は、天然皮革に似た構造や質感を人工的に作った素材です。
サッカースパイクでは、足を覆う「アッパー」と呼ばれる部分に多く使用されています。
スパイクのアッパー素材を大きく分けると、
- 天然皮革
- 人工皮革(合成皮革)
の2種類があります。
天然皮革にはカンガルー革や牛革などがあり、柔らかく、履くことで足になじみやすいことが特徴です。
一方の人工皮革は、一般的に天然皮革より伸びにくく、丈夫で型崩れしにくいという特徴があります。
ただし、人工皮革にもさまざまな種類があります。
現在では各メーカーが独自の素材や構造を開発しているため、「人工皮革だから硬い」「人工皮革だから安い」と一括りにすることはできません。
サッカースパイクの人工皮革の特徴
人工皮革の大きな特徴は、耐久性と扱いやすさです。
ミズノは人工皮革について、天然皮革より耐久性が高く、革自体が伸びにくいため、毎日使用しても型崩れしにくいと説明しています。
そのため、
- 部活でほぼ毎日練習する
- 少年サッカーで頻繁に使用する
- 雨の日にも練習する
- 手入れの手間を抑えたい
といった人にとって使いやすい素材です。
一方、天然皮革のように「履いていけば大きく伸びて足の形に合わせる」という考え方には向いていません。
人工皮革のスパイクは、購入時点で自分の足に合っていることがより重要です。
人工皮革サッカースパイクのメリット
耐久性が高い
人工皮革の代表的なメリットが耐久性です。
天然皮革に比べて伸びにくく、頻繁に使用しても形状を維持しやすい傾向があります。
毎日の部活やクラブチームの練習など、使用頻度が高い選手には大きなメリットです。
型崩れしにくい
天然皮革は履き込むことで足になじむ一方、使用方法によっては革が伸びすぎることがあります。
人工皮革は比較的伸びにくいため、購入時の形状を維持しやすいのが特徴です。
「長く履いているうちにスパイクが緩くなってしまうのをなるべく避けたい」という場合にも候補になります。
水分に比較的強い
人工皮革は、天然皮革より耐水性に優れる傾向があります。
そのため、
- 雨の日
- 濡れた天然芝
- 泥の多い土グラウンド
などでも比較的扱いやすい素材です。
もちろん、人工皮革なら濡れたまま放置してよいわけではありません。
使用後には泥や水分を落として乾燥させましょう。
手入れしやすい
天然皮革の場合、革の状態に合わせたケアが必要になります。
人工皮革は比較的メンテナンスの手間が少なく、日常的に使いやすいのもメリットです。
ミズノも、人工皮革は耐久性が高いため、お手入れの手間があまりかからない素材として紹介しています。
価格の選択肢が広い
人工皮革は、比較的リーズナブルなスパイクにも多く採用されています。
特に成長によって買い替え頻度が高くなりやすいジュニア世代では、価格を抑えた人工皮革モデルは選択肢にしやすいでしょう。
ただし、人工皮革=安いとは限りません。
高性能な人工皮革を採用した上位モデルもあります。
人工皮革サッカースパイクのデメリット
天然皮革ほど伸びない
人工皮革の「型崩れしにくい」という特徴はメリットですが、逆に考えると、履き込んでも天然皮革ほど大きく伸びないということです。
購入時に少しきつくても、
「履いていればそのうち伸びるだろう」
と考えて購入するのはおすすめできません。
特につま先の長さが足りないスパイクを、後から伸ばしてサイズアップさせることは基本的にできません。
素材によって履き心地の差が大きい
人工皮革には非常に多くの種類があります。
比較的しっかりした素材もあれば、非常に薄く柔らかな素材もあります。
そのため、「人工皮革」という表記だけで履き心地を判断するのは難しいでしょう。
足になじむ感覚は天然皮革と異なる
天然皮革は履き込むことで革そのものが足になじんでいくことが大きな特徴です。
人工皮革でも柔軟性やフィット感を追求した素材はありますが、天然皮革と全く同じ性質ではありません。
天然皮革特有の履き心地を好む人にとっては、人工皮革が合わない場合もあります。
人工皮革と天然皮革の違い
人工皮革と天然皮革の主な違いを比較すると、次のようになります。
| 比較 | 人工皮革 | 天然皮革 |
|---|---|---|
| 耐久性 | 高い傾向 | 使用環境・手入れに左右される |
| 足なじみ | モデルによる | なじみやすい |
| 伸び | 比較的少ない | 伸びやすい |
| 型崩れ | しにくい | 使用により変化しやすい |
| 水分 | 比較的扱いやすい | 注意が必要 |
| 手入れ | 比較的簡単 | こまめなケアが必要 |
| 価格 | 幅広い | 高価格帯も多い |
| 柔らかさ | 高機能素材では非常に柔らかいものもある | 柔らかくなじみやすい |
重要なのは、どちらが上という関係ではないことです。
現在では人工皮革でも柔らかさやフィット感を追求したモデルが登場しています。
実際、ミズノもジュニア向けスパイクについて「現在は人工皮革でも柔らかさを追求したスパイクが販売されている」と説明しています。
人工皮革とカンガルー革の違い
カンガルー革は天然皮革の一種です。
薄く柔らかく、足になじみやすいことから、長年サッカースパイクに使用されてきました。
一方、人工皮革は伸びにくく、耐久性や扱いやすさを確保しやすいのが特徴です。
近年では人工皮革の性能が向上しており、カンガルー革など天然皮革が得意としてきた柔らかさやフィット感を人工素材で追求するモデルも増えています。
そのため現在では、
天然皮革=本格派、人工皮革=初心者向け
といった分け方は適切ではありません。
カンガルー革については「サッカースパイクのカンガルー革とは?なぜ使われる?廃止・雨・手入れ方法も解説」で詳しく紹介しています。
人工皮革と牛革の違い
牛革もカンガルー革と同じ天然皮革です。
牛革は天然皮革ならではの柔らかさがあり、履き込むことで足になじんでいきます。
人工皮革は牛革より伸びにくく、型崩れしにくい傾向があります。
毎日の練習で使いやすさを優先するなら人工皮革、天然皮革ならではの足なじみを求めるなら牛革という選び方もできます。
牛革については「サッカースパイクの牛革とは?特徴・カンガルー革との違いや手入れ方法を解説」で詳しく紹介しています。
人工皮革のサッカースパイクは柔らかい?
「人工皮革=硬い」とは限りません。
以前のイメージから人工皮革は硬いと思っている方もいるかもしれませんが、現在では非常に柔らかな人工皮革も開発されています。
ミズノでも、天然皮革に匹敵する柔らかさを目指したマイクロファイバー人工皮革などが採用されています。
そのため、柔らかいスパイクを探すときに「天然皮革だけ」に絞る必要はありません。
人工皮革の場合でも、
- アッパーの厚さ
- 柔軟性
- 裏材
- ニット素材との組み合わせ
- 足を包む構造
などを確認しましょう。
サッカースパイクの人工皮革を柔らかくする方法は?
添付の検索候補にもあるように、「サッカー スパイク 人工皮革 柔らかくする方法」を調べている人も多いようです。
まずおすすめなのは、無理に加工するのではなく、正しいサイズのスパイクを実際に履いて少しずつ足になじませることです。
人工皮革は天然皮革より伸びにくいとはいえ、履くことでアッパーや内部素材が足の動きになじみ、購入直後より履きやすく感じることはあります。
例えば、
- 短時間から履き始める
- ウォーミングアップで使用する
- 軽い練習から使用する
など、いきなり長時間の試合で使うのではなく徐々に慣らす方法があります。
ただし、痛みが出るほど小さいスパイクを「柔らかくすれば履ける」と考えるのは避けましょう。
サイズや足幅が合っていない可能性があります。
人工皮革のサッカースパイクは伸ばせる?
人工皮革は天然皮革に比べて伸びにくい素材です。
そのため、
「0.5cm小さいけど履いていれば伸びる」
「横幅がかなりきついけど、そのうち広がる」
と期待して購入するのはおすすめできません。
使用することで多少なじむことはあっても、スパイク自体のサイズを変えるほど大きく伸ばせるわけではありません。
特に足長が足りない場合は、人工皮革を伸ばすことでは解決できません。
サイズを上げる、幅広モデルを選ぶなど、足に合ったスパイクへ変更した方がよいでしょう。
お湯で人工皮革のスパイクを伸ばしてもいい?
「スパイクをお湯につけて柔らかくする」という方法を聞いたことがある人もいるかもしれません。
実際、プロの用具管理を紹介したASICSの記事では、新しいスパイクをお湯でなじませる特殊な方法が紹介されています。ただし、同記事でもスパイクによってさまざまな素材が使われており、紹介方法は一例だと注意書きされています。
一般ユーザーが自己判断で、
- 熱湯につける
- ドライヤーで高温にする
- 無理やり引っ張る
- 強引にストレッチする
といった方法を行うのはおすすめしません。
接着部分や素材などへ影響する可能性があります。
「伸ばさなければ履けない」ほど窮屈なら、スパイクのサイズ・足幅が合っているかを見直す方が先です。
人工皮革サッカースパイクの手入れ方法
人工皮革は天然皮革より手入れしやすい素材ですが、何もしなくてよいわけではありません。
使用後の基本的なケアをすることで、きれいな状態を保ちやすくなります。
1. 靴ひも・インソールを外す
しっかり手入れするときは、取り外せる場合は靴ひもやインソールを外します。
内部まで乾燥させやすくなります。
2. 土や泥を落とす
まずブラシなどを使って、アッパーやソールについた土・砂・芝などを落とします。
泥が乾いている場合は、先に大きな汚れを落としておくと手入れしやすくなります。
3. 表面を水拭きする
ASICSはスムースタイプの人工皮革について、柔らかい白い布で水拭きする方法を案内しています。
軽い汚れなら、水拭きだけでも落とせる場合があります。
4. 汚れがひどければシューズ用シャンプーを使う
水拭きで落ちない場合は、素材に対応したシューズシャンプーなどを使用します。
ケア用品を購入するときは、「人工皮革対応」か確認しましょう。
5. 形を整えて乾燥させる
洗った後はタオルなどで水分を取り、形を整えます。
その後、風通しのよい日陰などで乾燥させます。
人工皮革サッカースパイクの洗い方|水洗いしてもいい?
人工皮革の大きなメリットのひとつが、天然皮革と比較して水を使った手入れをしやすいことです。
ASICSでは人工皮革のスムースレザーについて、軽い汚れなら水拭き、ひどい汚れの場合はシューズを水で湿らせ、シューシャンプーを使って手洗いする方法を案内しています。洗浄後は形を整えて、風通しのよい日陰で乾燥させるとしています。
ただし、ここで注意したいのが、すべての人工皮革スパイクを同じ方法で丸洗いできるとは限らないことです。
現在のサッカースパイクには、
- 人工皮革
- 合成繊維
- ニット
- 樹脂パーツ
- 接着素材
など複数の素材が組み合わされているモデルがあります。
そのため、実際に洗うときは使用しているスパイクメーカーの取扱方法を確認してください。
人工皮革のスパイクに革用クリームは必要?
基本的には、天然皮革と同じ目的でミンクオイルなどを塗る必要はありません。
天然皮革では革の保湿を目的としてオイルなどを使用する場合がありますが、人工皮革は天然の革ではありません。
人工皮革の場合は、
汚れを落とす → 必要に応じて洗浄 → しっかり乾燥
という基本的なケアを中心に考えるとよいでしょう。
ケア用品を使用する場合は、人工皮革に対応している商品を選んでください。
人工皮革のスパイクは雨の日にもおすすめ?
雨や泥のある環境で頻繁に使用するなら、人工皮革は選択肢にしやすい素材です。
人工皮革は天然皮革より耐水性が高く、型崩れもしにくい傾向があります。
例えばスパイクを2足持っているなら、
- 晴れの日・試合:天然皮革
- 雨の日・練習:人工皮革
という使い分けも考えられます。
ただし人工皮革でも、雨で濡れたままバッグへ入れて放置するのは避けましょう。
人工皮革のサッカースパイクは小学生にもおすすめ?
人工皮革は小学生にも使いやすい素材です。
実際、ASICSもジュニアサッカーシューズについて人工皮革が中心だと案内しています。
小学生では、
- 練習頻度が高い
- 土で使用することが多い
- 雨や泥で汚れる
- 成長してサイズアウトする
- 自分だけで天然皮革をケアするのが難しい
といったことがあります。
耐久性や手入れのしやすさを考えると、人工皮革は有力な選択肢です。
また現在では柔らかな人工皮革を使ったジュニアモデルもあるため、「子どもには天然皮革の方が柔らかくて絶対に良い」と考える必要もありません。
ただし、素材以上に重要なのが足に合っていることです。
サイズ・足幅・使用するグラウンドなどを優先して選びましょう。
人工皮革のサッカースパイクはどんな人におすすめ?
人工皮革は、特に次のような人に向いています。
- 毎日のようにスパイクを使用する
- 部活やクラブチームで練習頻度が高い
- 土のグラウンドでよく使用する
- 雨の日にも練習する
- 型崩れしにくいスパイクが欲しい
- 天然皮革ほど手入れに時間をかけたくない
- ジュニア用スパイクを探している
一方、
「履き込むほど革が自分の足になじんでいく感覚が好き」
という人なら、カンガルー革や牛革などの天然皮革も比較してみるとよいでしょう。
人工皮革のサッカースパイクについてよくある質問
人工皮革のスパイクのメリットは?
耐久性が高く、伸びにくく、型崩れしにくいことが主なメリットです。
天然皮革より水分の影響を受けにくく、手入れしやすいのも特徴です。
人工皮革と天然皮革はどっちがおすすめ?
使用目的によって異なります。
耐久性や手入れのしやすさを重視するなら人工皮革、履くほど足になじんでいく天然素材ならではのフィット感を重視するなら天然皮革が候補になります。
人工皮革は履いていれば伸びる?
天然皮革より伸びにくい素材です。
使用することで多少足になじむことはありますが、大きくサイズを変えられるほど伸びることを前提に選ばない方がよいでしょう。
人工皮革を柔らかくする方法は?
まずは正しいサイズを選び、短時間の練習などから徐々に履き慣らす方法がおすすめです。
高温のお湯やドライヤーなどを自己判断で使って無理に柔らかくするのは避けましょう。
人工皮革のスパイクは水洗いできる?
モデルによりますが、人工皮革は水を使って手入れできるものがあります。
ASICSでは、スムースタイプの人工皮革について、汚れがひどい場合に水で湿らせてシューシャンプーで手洗いする方法を案内しています。
実際には複数素材を組み合わせたスパイクもあるため、メーカーの商品ごとの手入れ方法を確認してください。
人工皮革に革用クリームは必要?
天然皮革のような保革を目的としたクリームは基本的には必要ありません。
使用する場合は、そのケア用品が人工皮革に対応しているか確認しましょう。
人工皮革は雨に強い?
天然皮革より耐水性が高い傾向があります。
そのため雨天時にも使いやすい素材ですが、濡れた後は水分や泥を落として乾燥させましょう。
人工皮革は初心者向け?
初心者にも使いやすいですが、「人工皮革=初心者用」というわけではありません。
現在では高機能な人工皮革を採用した上位モデルもあります。
まとめ|人工皮革スパイクは耐久性・手入れのしやすさがメリット
サッカースパイクの人工皮革は、現在非常に多くのモデルで使用されているアッパー素材です。
主な特徴は、
- 天然皮革より伸びにくい
- 耐久性が高い
- 型崩れしにくい
- 水分に比較的強い
- 手入れしやすい
- ジュニアにも使いやすい
- 高機能・高価格帯の人工皮革もある
などです。
特に覚えておきたいのが、人工皮革=硬くて安い素材ではないということです。
現在では人工皮革の技術が進化し、柔らかさ・フィット感・軽量性・ボールタッチなどを追求した素材も登場しています。
一方で、天然皮革ほど大きく伸びる素材ではないため、「きつくても履いていれば伸びる」と考えて購入するのは避けた方がよいでしょう。
人工皮革・カンガルー革・牛革にはそれぞれ異なる特徴があります。
素材だけで優劣を決めるのではなく、足へのフィット感、使用するグラウンド、練習頻度、手入れのしやすさなどから自分に合ったスパイクを選びましょう。
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